前回に引き続きバリアフリー住宅についてです。
階段の勾配
一戸建て住宅である場合、階段が大きな障害となりますが、階段でもいろいろなケースがあります。
手すりの連続性については前述したとおりですが、勾配についても注意が必要です。
急な勾配の階段は高齢者等にはつらいものであるため、避けたいところです。
階段の上り下りが億劫なため、上階へ行かないという人は多いです。
急な勾配は特に大きな障害となるため、注意しましょう。
都会の狭小地の3階建て住宅では、スペースの関係からどうしても勾配が急になりがちであるため、不向きだと言えます。
ホームエレベーターがあるならば、それほど階段のことは気にしなくてよいですが、エレベーターの入り口の有効巾には注意しましょう。80cm以上は必要です。
照明
照明についてもバリアフリー視点で見てみましょう。
スイッチの位置が車いすでも余裕をもって届く位置であることとスイッチがワイドなもので押しやすいことがポイントとなります。
玄関やトイレなどは人感センサーにするという方法もありますが、不要なときにまで反応することを嫌う人もいますから、よく考えて判断しましょう。
床材を滑りにくい素材にする
歩くときに滑りやすいものは避けたいですね。
居室や廊下もそうですが、浴室の床も滑らないタイプのものであるか確認しましょう。
リビングや居室の床を滑りづらいものにしておきながら、固定していないカーペットを敷いている人もいますから、普段から滑りやすくないか考えておく必要はあります。
バリアフリー対応は本当に必要か
バリアフリー対応の必要性が注目を浴びておりますが、全ての住宅に必要なのかどうかよく考える必要があります。
まだ若い家族でも将来的には必要になる可能性があることから、新築したりリフォームしたりするときに早めに対応しておこうという考えもよいですが、その時期が来てから対応することも悪くはありません。
その時期に対応するならば、改修費用等の資金的なゆとりが必要ですから、資金計画を考えておかなければなりません。
資金的にゆとりのある時期が今というならば、今のうちに対応すればよいでしょう。
また、手すりや照明スイッチのような工事が軽微なものは必要になってから対応しても遅くはありません。
ただ、怪我をして松葉杖を利用するようなときにも手すりがあれば便利ですから、前向きに検討することをお勧めします。
最後に余談になりますが、あえてバリアフリー化をしないという人もいます。
段差のない住宅、階段を利用しないといったことは、体を使わないということになっていき、かえってよくないと考えるからです。
個々の考え方もありますが、このあたりのことも検討してもよいのではないでしょうか。
但し、将来、必要になったときに対応コストの大きなものは、新築時などに対応しておくとよいでしょう。